JALしっかりしろ

初めて乗った飛行機はいつだったか。記憶が定かではないが、きっと学生時代にヨーロッパ四カ国を駆け足で巡ったツアーの時じゃなかったと思う。そう、いきなり最初の飛行機でフィンランド航空の北廻りルート。成田から飛び立ち、北極点経由でフィンランドのヘルシンキで2時間程度のトランスファー。空港は雪で真っ白だった。そしてギリシャ・アテネへ。ヘルシンキの時間を含めなくても、10時間以上エコノミー席で身動きが取れない状況の中、定期的に出される機内食に安眠を妨害されたきつい時間だったが、初めて乗る飛行機で、苦痛は感じなかった。

アテネから今度はイタリア・ミラノへはアリタリア航空で飛んだ。ローマまでは陸路でアウトストラーダを走り、そこまら今度はスイスエアーでオーストリア経由でスイス・チューリッヒへ。インターラーケンからツェルマットまでアルプス越えをし、ジュネーブからTGVでフランス・パリへ。

これが1週間の行程だから、そのハードスケジュールはさもありなんだ。イタリアでは夜の23時にホテルに到着し、水が出ない部屋だった。しかし20歳を越えたばかりの私は、この旅の中で飛行機という乗り物に乗りまくり、短時間で地球をほぼ一周し、広大な距離を旅した事になる。

その後はバンコクまでのUAやTG、バンコクからカトマンドゥまでのTG、台北までのCIやJL、昆明までのJDやCA、中国国内線の3Q、CZ、ネパール国内の3Zなど、今にも壊れそうな機体から、中途半端にどこか壊れそうな機体、そして安心できる機体などに乗ってきた。あの大きな鉄の塊が空に飛び立ち、そして無事着陸するというような事を考えたら、正直怖くて乗れなくなりそうだが、旅の足としては必要な乗り物になる。

飛行機に乗るには、空港に少し早めに到着しなければならない。新幹線のように、それこそ飛び込み乗車でも大丈夫な乗り物とは違う事から、どうしても所要時間の前後に時間がかかってしまう。その時間が無駄かもしれないが、私としてはそんなに嫌いではなく、むしろ旅立つ気持ちを盛り上げてくれたり、落ち着かせたりしてくれるものだ。

昨今、好きだったJASを吸収したJALが、トラブルばかり起こしている。元国営企業、企業資質という視点からは、まるでJR西日本を見るようだ。コストダウン、人員削減、成果主義と、そんな事経験してもいない連中が、今の会社を引っ張っている。当然会社を愛し、仕事を愛するささやかな社員の気持ちなんか、これっぽっちも考えない。単に自分も雇われているくせに、雇ってやっているというスタンスで、純粋な労働意欲や愛社精神を踏みにじる。今のJALも、まさにそんな内情なのではないだろうか。悲しい限りだ。

JASがJALになってしまったので、溜まりに溜まったマイレージ4万マイル以上がJALのマイレージなった途端、まったくたまらなくなってしまった。サービスは低下し、マイルの加算率もセコい。こんなんじゃなかったはずなのに、と、ANAの方をのぞいてしまう。

写真は羽田空港の早朝。成田などの国際航路は夜中に飛び、明け方に空港に到着する事が多い。関西空港から成田に到着し、成田から国外に旅立つ事や、その逆もある事から、早朝でも活発に飛行機は動いている。今飛び立っていった飛行機はどこに行くのか、今到着した飛行機はどこからなのか、そんな事を思うだけで、何か胸の奥がわくわくするのだ。

空港。それは旅の空気がむせかえる程濃密な場所。あのちょっと緊張して、ちょっと寝不足な早朝の空港にまた行きたい。朝日がさんさんと降り注ぐターミナルは、ちょっとした美しさを感じる。

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