今年は梅雨が長かった。先日突如、梅雨前線が消滅した事により、梅雨明けとなった日本。今までであれば、大抵太平洋高気圧が、日本列島に横たわる梅雨前線を押し上げ、目に見える形で梅雨明けへの手順が見られるのだが、今年は稀にみるレアケースらしい。毎年異常気象だと言われるのだから、別段不思議ではない。
という事で1週空けてあまり体は健康ではない私と、健康な由とくーは、御殿場でアジセミナー。皆、いつものメンバーと言えるように、我が家もすっかり皆さんと顔なじみになったのが嬉しい。
いつも通りETC割引時間帯に東名に乗り、セミナー会場へ。今日は暑くなりそうだ。うっすらと霞んだ空、こういう日は直射日光よりも蒸し暑くなる。既に参加者の車が多く到着済のようだ。我が家は御殿場ICを降りてからちょっと寄り道をしていたので、8時に到着した関係での時間差だろうか。
週末、テント泊体制が珍しくなくなったこの御殿場フィールド。我が家は来週は確実に1泊以上なので、今週はゆっくりする為、日帰り予定でセミナーに臨む。私の頭痛も、家を出る前にちょっと怪しかったので、先に頓服を飲んでおいたおかげか、痛みはない。このままもってほしい。
既に日除けを作ろうと、到着済の皆さんはタープなどの設営に忙しそう。我が家も安く買ったビーチ用の日除けテントをたて、園芸用の遮光シートを上にかけ、椅子スペースを含む日陰を作った。それだけでももう汗がボトボトと落ちるのが見える。水を飲みながら活動しないと熱中症になってしまうだろう。
セミナー開始は9時すぎ。既に気温も結構あがってしまった中始まった。由は最初からミスを連発。どうも暑さのせいか、コースのせいか、落ち着かないようだった。くーも相変わらず最初からハイテンション。首つり状態でスタートラインに着く状態なので、リードを外した途端勝手に目の前の2~3本のハードルをジャンプし、なぜかすぐに戻ってくる。体がいう事をきかないような感じがする。別にそのまま勝手に走り回るのではなく、ちゃんと戻ってくるのだ。
12時までのAクールは、正直私にとっても辛かった。こんな強い日差しの中、ハンドラーや犬たちは交代にコーチに設定して貰ったコースを交代に走る。始まった頃はまだ少しマシな風が出てきたが、皆滝のような汗を流しながら、走っていた。
由は何にしてもコースミスやハンドリングミスが目立つ。何か考え事をしているか、抜け落ちているかどちらかという動きだ。くーはそのちょっとした由の迷いに反応し、思う通りのコースが走れない。ハードルも以前よりはマシになってきたが、落としがちだ。やはりこういう風にどちらに迷いがある時は、パートナーに意志が伝わらずギクシャクする。これぞアジリティの醍醐味と言う所だろうか。30秒もかからない、それこそ20秒前後の間、人と犬の意志の繋がりを、この日差しの強さや気温が邪魔をする。
大会の時は、エントリー1種目について1走だけ。せいぜいトータルで2~4走前後だろうと思うが、セミナーでは20~30走する。その間、同じコースを何度か走れる練習と、競技の時の1走のみという大きな違いがあるので、緊張のレベルも違うとは思うが、練習時の繰り返し反復する走りも必要だ。しかし走れば走る程、バテるという季節は確かなので、人も犬もケアをしないと大変な事になる。
皆その点は神経質な程になっているのだが、ハンドラーがボーっとするような状態だと、何もうまくいかない。午前中はそんな状態で過ぎてしまった。反省材料がてんこ盛りといった所の為、由も落ち込んでしまう。
もう限界という状態で、やっと昼休み。焼肉用の買い出しをして頂き、少しだけおいしい肉を頂く。私はすっかりバテて、新調したコットを使い、日陰の下で少し横になる。しかし風があまり涼しくなく、暑い。
食後コーチは借りてきた小型のユンボで適当な杉の木を切り出し、夜間照明用のポールを作り上げた。朝から電気を敷く工事業者の人が来ていて、入り口近くに鉄製の照明付き分電盤が装着されていた。そこからセミナー会場にスポットライト照明を2箇所に設置する為に、コーチ自らがフィールドの脇をえっちらおっちらとユンボで1m近くの溝を堀る。これこそ草アジという感じで、小屋も有志で建ててしまうわ、看板も掘ってしまうわ、簡易トイレも雨水ストック用のコンテナを設置するわと、まるでダッシュ村のように色々なものができていく。
今回はその中でも大物、照明機具の設置な訳だが、業者に柱と支柱を頼んで設置して貰うだけで10万以上はかるくかかる事から、自分で作ってしまうのだ。なかなか実際にここまでやってしまえる人は少ない。このあたりのコーチの人間的な面白さから、草アジに集まってくる人が絶えないのではないかと思う。今の時代、ここまでできるオトナは殆ど見当たらないはずだから。
私は少し仮眠していたので手伝うのが最後だけになってしまったが、2m近くの穴を堀り、そこに切り出した杉の柱をユンボのアームと4方向からのロープワークによる人力で立ててしまうマンパワーには恐れ入った。あと1本は翌日の日曜にまた有志を募って建てるという。風景にあう切り出したままの杉の木の照明塔が、カッコよかった。
午前中の暑さから、もっと早くシフトした早朝セミナーか、夜間セミナーというようなカリキュラムで真夏のシーズンは毎週ここ御殿場フィールドでセミナーが行われる予定だ。その為に必要な設備として、電気の敷設が今回行われた。次のターゲットは水になるだろうが、これは近くのキャンプ場に至る、このフィールドに入ってくる道の分岐までは、道路下に配管が通っているだろう。井戸を掘るにしても、それなりにお金がかかるのは水。友人が中標津の又俣落のD型に住み始めた頃も、水は一番の課題だったようだから、最後になるのだろう。案外電気はすぐに入ったようだから、あともうちょっとで、ここがハンドラーや犬たちの、より充実した環境になる為に、一歩一歩進んでいる。
由も興味をもってその照明塔立ての工事に参加していた。役にたったのは、由自身の身長で、照明塔用の穴の深さを計った位。本人はチェーンソーがいじりたくて仕方がなかったようだ。まあそれでも楽しかったんだったらそれでいいだろう。
少し休んで、空が少し曇りはじめ、昼までの強烈な空とはうってかわって、気温がぐんぐん落ちてきた所で、午後のセミナーが始まった。
写真は自力で立ててしまった照明塔。切り出したままの杉の木の質感がとてもフィールドに似合っている。
